4)車中泊-山ちょこへの道-

まさか出会ったばかりの男性と一夜を明かすことになったわけですが、襲ってくるような男じゃないだろうと踏んでいたので、それは何とも思っていませんでした。
そんなことより当時の私は数年前からアトピーが重症化し、まだ辛い時期だったので、車中泊で悪化したり酷い痒みが出てしまったらどうしようと、そのことで頭がいっぱいでした。
一方貴之は手作りサンドイッチを持ってきてくれるくらい準備していたのに、その初デートでまさかの大失態、これ以上かっこ悪いところは見せられないと平静を装っていましたが、申し訳なさは隠せず。
何とか挽回せねばと考えていたんでしょう、保湿剤が買えるお店を田舎で一生懸命探してくれ、お風呂には絶対に入りたいと言う私にイエッサーと言わんばかりの機敏さで銭湯を探し、お肌のケアでトイレに30分以上こもってしまっても穏やかな笑顔で待っていてくれました、あ、これは大きい方と思われていたかも笑。
白川郷のどっかの駐車場、閉じた瞼でお互いの寝返りの音を何度も聞きながら、長い長い車中泊を過ごしたのでした。

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